私は、沖縄本島の中部に住む者で、近くの海岸でオカヤドカリを観察できる環境です。
趣味の一環でオカヤドカリの写真を撮っていますが、ここ数年の間にオカヤドカリが激減している様に思います。
オカヤドカリなどが激減しているのには、幾つかの原因があると思います。
一つは、急速な開発による赤土の流失による海岸線の汚染です。
赤土による汚染は最も深刻だと思います。
沖縄のニュースでも時折赤土流失が取り上げられますが、何時も答えは同じ「シートなどをかけて流失を防いでいるとか、大幅に流失が減ったとか・・・」
実際には、何も対策をしていない現場が殆どでしょう。
雨が降る度に海岸線は真っ赤に染まります。
5〜6年前は、真っ赤に染まっても1〜2日位で回復していたのが、最近は一週間近くも濁りが取れないことも多いです。
素人の私達が見ても明らかに悪くなっているのに、何を持って良くなっていると言うのか理解できません。
この様な環境の変化が、浜辺の生物の生態系に与える影響は計り知れないと思います。
次に、道路が整備されたこともあると思います。
家の近所でも、今まで地元の人しか来ないような浜辺が、農道が舗装された為に多くの人が車横付けで訪れるようになり、浜もゴミの山です。
また、恐らく釣り人による密漁と思われるケースもあります。
沖縄は、ここ数年釣りブームが続いており、オカヤドカリは最高のエサだと言う考えが根強いようです。
最近も、近くの浜でアダン林が切り倒され荒らされた跡と、オカヤドカリを捕る為のトラップがありました。
この様に荒らされた場所はよく見ます。
アダン林が荒らされたりトラップを見つけたのは先月(10)中旬です。10月上旬に来た時は、多くの大型を確認していました (種類は良く分かりませんが、ムラサキオカヤドカリが多かったと思います)。
この場所には、拳大もある大型のオカヤドカリが多く生息していたのですが、一匹も発見することが出来ませんでした。
今回のトラップを見つけた近くでも、大型オカヤドカリの千切られたハサミや足が幾つも落ちていて、この辺りの大型オカヤドカリは一網打尽になったと思われます。
トラップを見つけた後から仕事帰りに毎日寄って探してみましたが、今日現在までに見つけたのは中型のオカヤドカリが4〜5匹だけです。
大型サザエ貝に入る様な大型は発見できず…。
(1〜2pクラスの小型オカヤドカリはある程度見つける事ができました)
海岸線一帯では密漁が多いのも確かで、これまでも何回も見たことがあります。
密猟者は、悪びれた様子もなく当たり前のように獲っていきます (こちらが見ていると「文句でも有るのか」って感じで睨み返してくる始末…)。
オカヤドカリ達が、本当の絶滅の危機になってから保護に乗り出しても遅いと思うのだが...。
県は、何処まで実態を把握しているのか?疑問とやり場のない怒りを感じます。
言いたい事は沢山ありますが…。
私達の子供が大人になった頃、オカヤドカリ達を写真の中でしか見ることが出来ない...、なんて事にならなよう祈っています。
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